重なったNとYのマークは、1877年にティファニーがニューヨーク市警の勲章のためにデザインしたものです。野球のために作られたものではありません。
先に3行でまとめます。
はじまり 1877年、任務中に撃たれたニューヨーク市警の警官に贈る勲章
デザインしたのはティファニーの主任デザイナー、エドワード・C・ムーア
野球へ 1909年、ニューヨーク・ハイランダーズ(のちのヤンキース)が使い始める
オーナーの一人が元ニューヨーク市警の本部長だった
だから 読みにくいのは、刻むための飾り文字で、読ませる字ではないから
1877年1月8日の早朝、ニューヨークのヘルズキッチンで、酒屋に強盗が入りました。駆けつけた警官ジョン・マクドウェルは耳を撃たれながら犯人の一人を取り押さえます。ニューヨーク市警で、任務中に撃たれた最初の警官でした。
彼に贈る勲章のデザインを頼まれたのが、ティファニーの主任デザイナー、エドワード・C・ムーアです。銀の盾の形をした勲章で、女性が警官の頭に月桂冠を載せている図柄でした。
そこに入っていたのが、NとYを重ねたマークです。
このマークが野球のユニフォームに現れたのは1909年、ニューヨーク・ハイランダーズ(のちのヤンキース)でした。
球団のオーナーの一人、ビル・デブリーが元ニューヨーク市警の本部長だったことが関係していると言われています。
それから100年以上、紺のキャップと白のホームユニフォームに載り続けて、形はほとんど変わっていません。
このマークは、野球のために描かれたものではありません。勲章に彫るための飾り文字です。
NとYが重なって一体になっているので、単体で見ると読みにくい。それでもそのまま使われ続けているのは、元が「読ませるため」ではなく「刻むため」のデザインだからです。
参照: Logos and uniforms of the New York Yankees(Wikipedia) / History of the Interlocking NY Logo(Sports Logo History) / The history behind the interlocking ‘NY’ logo(6sqft)