リアルツリーのカモ柄は、実家の庭の樫の木を色鉛筆で写したもの

1986年、ビル・ジョーダンが実家の庭で樫の樹皮をスケッチしたのが始まりです。軍の迷彩とは、目指した方向が逆でした。

先に3行でまとめます。

はじまり  1986年、ビル・ジョーダンが実家の庭の樫の木を色鉛筆でスケッチした
          縦の樹皮に小枝と葉を重ねると、立体に見える

軍と違う  軍の迷彩は輪郭を崩す。リアルツリーは背景そのものを写す
          だから写真のような枝と葉になる

いま      手描きではなく、デジタルカメラの写真を印刷している
          ナイキが2025年から継続して使っている

紙と色鉛筆から始まっている

リアルツリーは1986年、ビル・ジョーダンが作りました。 場所はアメリカ・ジョージア州のコロンバスです。

始まりは、実家の庭でした。 庭に生えていた大きな樫の木の樹皮を、紙と色鉛筆でスケッチしたところから始まっています。

彼が考えたのは、こういうことでした。

縦に走る樹皮を背景に置く
その上に小枝と葉を重ねる
   → 平らな布なのに、奥行きがあるように見える

「立体に見える」ことを狙った柄です。 それまでの迷彩が色の塊で形を崩していたのに対して、 リアルツリーは木そのものを写す方向に行きました。

ジョーダンは1983年に、父親のボート販売店の奥の部屋でアーチェリー用品の会社を始めていました。 狩猟の道具を売る側から、柄を作る側に移った人です。

軍の迷彩とは、目的が違う

同じカモ柄でも、軍のものとは行き先が分かれています。

何をしようとしたか
軍の迷彩 輪郭を崩す。形を分からなくする
リアルツリー 背景を写す。木に見せる

だから見た目がまったく違います。 軍のものは色の塊やピクセルの並びになりますが、 リアルツリーは写真のような枝と葉です。街で見たときの印象が違うのは、ここが理由です。

手描きではなくなっている

いまの柄は、手で描いていません。 デジタルカメラで撮った写真を、そのまま印刷しています。

1986年       紙と色鉛筆
1990年代     どこまで本物に近づけるかの競争が起きる
2000年代     写真そのままの柄が主流になる

最初の1枚だけが手描きで、あとは技術の話になりました。 名前に「リアル」が入っているのは、 このまま最後まで一貫しています。

狩猟の柄が、街に出てきた

リアルツリーは早い時期から Bass Pro Shops や Walmart のような大きな店で扱われました。 もともと狩る人のための柄です。

それが服の柄として使われるようになり、いまはナイキが継続して使っています。

2025年 ホリデー   Air Force 1 に採用
2026年 2月        ランニングシューズ6型に展開

「隠れるために作られた柄」が、いちばん目立つ場所で使われているというのが、 この柄のいまの立ち位置です。

このサイトでは59FIFTY のリアルツリーカモに使われています。

参照: Company History(Realtree) / Realtree(Camopedia) / Bill Jordan(Wikipedia) / Hunting Camo: From Basic to Photorealistic and Back Again(Free Range American) / Nike Realtree camo collection(Sole Retriever)